どうしよう?

推奨されたのではてなダイアリーからインポートした

動かない獲物2

メクは動くものを追いかけるのが苦手で、ねこじゃらしでじゃらすときも、おもちゃをゆっくり動かさないとついて来れない。

 

遊びたくはあるんだけど、ちょっと追っているうちに他の子におもちゃを奪われてしまうので、メクを遊ばせるときはメク以外の子猫を追い払って、別室でゆっくりおもちゃを動かして遊ばせていた。

 

さて、ハナは(たぶん)元野良でうちに居つくようになっても、すぐにはトイレを覚えず、その癖食べ物には目ざとくて、シンクにある生ごみ入れから鶏の骨やらを引っ張り出したり流し脇のゴミ袋をあさったりと、小柄ながらもなかなか逞しかった。

 

そんなハナにいつもついて回っていたのがチャムで、体格も顔立ちもハナに似ているばかるじゃなく、ゴミ袋や皿を狙うような事まで真似するようになっていた。

 

チャムはおりこうさんじゃないけど、賢い子で、引き戸や猫のエサ入れを開けたりポットのボタンを押してお湯を出してみたりと、「しくみ」のようなものを理解して動かせる子で、油断がならない。

 

ハナが死んでからも、チャムはおうちの中での狩りはもちろん、庭に出せばトカゲを捕まえて持ってくるし、ハナ譲りの中々の狩り名人だ。

 

そんなチャムを見ていて、のんびりやのメクも色々真似をするようになっていったのだ。

 

僕は動かない獲物を狙えばいいんだ。

 

と、メクが思ったのかどうかは分からないけど、チャムが引っ張って食べ残した鶏の骨やらに手を出すようになった。

 

そのうち子猫の食べ残しのカリカリをチェックするようになり、食べ残しだけじゃなく、周りにこぼれているカリカリもしっかり探すようになり、最期には子猫(もう大人だけど何となく4姉妹をまとめてコニャ達と呼んでしまう)の皿にでっかい顔を突っ込んで奪うようにまでなってしまった。

 

メクちゃんは動かない狩をマスターしたね。まあな。僕は名人やからな。

 

と言った会話は当然ないけど、動かない獲物を狙うって基本かもしれないなあと、ぼんやり感心していた。