どうしよう?

推奨されたのではてなダイアリーからインポートした

動かない獲物

うちには5匹の猫がいる。

 

1匹は2018年に貰い手を探していた人からやって来た2匹の雄猫のうちの1匹で、サバトラのメクで、残りの4匹はハナが産んだ4姉妹だ。

 

2018年にうちにきた2匹の子猫は、雄の黒猫のクロと同じく雄のサバトラのメクで、クロは3歳の春に心筋梗塞で急逝してしまった。

 

ハナはうちに2匹の雄猫がいた頃にうちの周りをうろちょろし始めた雌猫で、雄猫が徘徊した時のうちの子の対応との落差の激しさと、すごく痩せていてエサをやるとものすごい勢いで食べるのとサイレントニャーが切なすぎたので、もう1匹ぐらい増えてもいいやぐらいの気持ちでエサをやったら、なんとうちで出産してしまった子だ。

 

ハナはうちで4匹の子供を産んで、全員女の子だった。

 

ハナは小柄だったし、うちの2匹は去勢していたので、馴染むようならうちで飼って頃合いを見て避妊手術をしようと思っていたら、既に妊娠していたのだtった。

 

焦ったけど今日日は里親探しサイトもあるしと、それっぽい所に登録して、何人かの里親希望さんとも連絡を取り、子猫の貰い手の目途も立って引渡し前に検診も済ませようと母子ともに獣医さんに連れて行ったら、ハナの猫エイズキャリアが発覚してしまった。

その後、子猫の方もエイズキャリアという事が明らかになってしまった。

 

里親希望の方にその旨告げると、2人からは丁寧な辞退を頂き、2匹希望されていた方はフェイドアウト

 

腹をくくって7匹飼うぞと思っていたけど、夏に子猫が生まれて翌年春先にクロが死んでしまった。

 

産まれた子猫は全員雌で、こりゃ早い事避妊手術しないとやばいなと思っていたんだけど、獣医さんの勧めと法律が変わったという事と手術の予約日やそのあたりの頃合いに子猫が風邪をひいたり、ハナの血液検査の結果が思わしくなかったりと色々あったけど、だいたい1年後ぐらいには全員手術を終える事ができた。

 

血液検査の結果が思わしくなかったハナは、その後体調を崩し猫エイズが発症したのかとも思ったけど、エイズよりは悪性の白血病の方だった雰囲気で、獣医さんからも危ないと言われながらも、歯が抜けた事とステロイド的なお薬の効果もあって、体調を取り戻し、子猫が大きくなる1年は間違いなく授乳を続けた。

 

子供とサイズ的に大差がないぐらいになってもおっぱいを吸われていてどうなんだろうと私は思っていたけど、ハナはずっと授乳していた。

 

まあハナが元気になればいいやと思っていたんだけど、だんだんハナの食欲が落ちてきてチュールも食べなくなってしまった。

 

獣医さんの見立てでは歯槽膿漏が悪化しているのと猫白血病が悪化しているぽい。若い猫の方が進行が速いらしい。

 

いよいよ水も飲めなくなって水分補給のための注射を打ってもらったんだけど、そこから水分が流れ出るようになってしまって、死んでしまった。

 

死んでも温かくて柔らかいので、クロの時みたく、明らかに固まるまでは信じられないというか信じたくないというか認められないみたいな感じで、死後硬直を確認してからクロの墓の隣に埋めてきた。

 

ハナはクロが大好きだったし、クロもまんざらでもなさそうだったので、2匹を近くに葬ると私も何だか安心した。

 

--父が死んだ後もそうだったけど、父の死後1年経って母が死んだ時に、これで二人とも寂しくなくなるように思えたように、クロが死んだ後かなりショックだったんだけど、ハナが死んだ時には、覚悟があったのももちろんだけど、これで二人とも寂しくなくなると、やっぱり思ったのだった。--

 

とまあ、ハナとクロがいなくなって、クロと一緒にやって来たメクとハナの娘4匹ブイ・ブチ・クム・チャムの5匹の猫がいるのだ。

 

その中の黒一点、クロと一緒にやって来たもう一人の男の子がメクだ。

 

メクと言う名前は、うちの来た時に目ヤニがひどくて、寝て起きる度に目ヤニで目が開かなくなってしまって、メクソを取れ取らねば取ろうと大騒ぎしたので、メクソ転じてメクとなった。

 

来た当初は目ヤニででろでろでクロよりも小柄で動きも鈍くて、とても弱々しい子だったけど、手足だけ大きくて、手足が大きい子は大きくなるらしいけど、この子は例外かもなと思っていた。

 

が、弱々しく見えたメクだけど、目薬やらカビ取りシャンプーやらやっているうちにどんどん大きくなって、7kg超の立派な大猫に育った。

 

ただ、性格は温和で何より動きが緩慢。

 

子猫の頃はクロにやたらと絡んでは、兄貴分のクロにいなされていたんだけど、大人になってからはあまり動かなくなってとてもどっしりしている。

 

が、bigなbodyは沢山のごはんが欲しいんだけど、動きが緩慢で端的に言うと鈍いメクは庭に出しても虫取りは全く成功した事がなく、かといって人間の皿から奪うという暴挙に出る事もない。

 

そんな、食欲旺盛だけど狩りは苦手そうなメクだったけど、独自の狩りをマスターした。

 

それが、動かない獲物を狩る方法だ。

 

つづく